いまやお正月の風物詩ともいえる箱根駅伝ですが年々盛り上がりをみせています。。
TVや雑誌でも箱根駅伝が取り上げられる機会が増えており、新ためて箱根駅伝人気を感じます。
箱根駅伝に魅せられ、箱根駅伝に青春をかけた人間として1人でも多くの方に素晴らしさをお伝えできればと思っています。
箱根駅伝出場効果
予選会参加校の顔ぶれを見ると大学をあげて箱根駅伝に注力している大学が増えています。
競争率も上がり、予選会を突破することは並大抵のことではなくなっています。
予選会を突破するためには、強豪校になるためには大学側がどこまで本気で取り組んでいるかの勝負だと思います。
本気で取り組む=簡単に言えばいくらお金をかけるかです。
お金がかかるのは一例ですが、
・優秀な指導者、コーチの招へい
・寮の整備(建築費・運営費)
・練習環境の整備(グラウンド・ジム・雨天練習場等)
・優秀な学生の確保(特待生・寮費免除・栄養代)
・合宿代
・治療代補助
年間数億円というお金がかかります。
大学側が〇億円先行投資できるかが勝負になります。
当然頑張るのは選手でありコーチ、監督といった現場ですが、まずはお金が必要です。
- 優秀な新入生を何人スカウトできるか?
- 何校からもスカウトされる有望選手のスカウト合戦に勝つには?
- 選手が競技に集中するための衣食住は?
そうした努力もすぐには実りません。
何年間も継続して少しづつチーム力を上げていき、やっと箱根駅伝出場常連校になれます。
そんな苦難の連続ですが、そこまでお金をかける価値が箱根駅伝にはあります。
まず箱根駅伝に出場すると・・・
・多くのマスメディアで取り上げられることにより知名度が上がる
・入学希望者が増えることにより受験者が増える
・知名度が上がることにより在校生の就職が良くなる の無限ループが起こります。
特に受験者が増えることで受験料収入が増えます。
10,000人増えると(20,000円×10,000人)2億円です・・・
また多くの受験生が集まることにより合格者のレベル(偏差値)が上がる。
レベルの高い学生が増えれば就職、進路も良くなります。
そしてこの繰り返しが何年か続くと1ランク2ランク上の大学になります。
この成功例としては山梨学院大学が有名です。
山梨県甲府市の地方大学が箱根駅伝で有名になり数年で有名大学になりました。
そして受験者が増え受験料収入が増え、受験者の合格ラインが上がり偏差値が上がりました。
一言でいえば抽象的ですが良い大学になりました。
そして同じ成功をしようと多くの大学が箱根駅伝出場を目指しています。
現在第二の山梨学院大学に最も近いのは城西大学だと思います。
そしてそれを追うのが上武大学、東京国際大学ではないでしょうか。
箱根駅伝栄枯盛衰
ゼッケン | 70回記念大会 | 95回記念大会 |
1 | 早稲田大学 | 青山学院大学 |
2 | 山梨学院大学 | 東洋大学 |
3 | 中央大学 | 早稲田大学 |
4 | 専修大学 | 日本体育大学 |
5 | 日本大学 | 東海大学 |
6 | 駒澤大学 | 法政大学 |
7 | 法政大学 | 城西大学 |
8 | 神奈川大学 | 拓殖大学 |
9 | 順天堂大学 | 帝京大学 |
10 | 東京農業大学 | 中央学院大学 |
11 | 東海大学 | 日本大学 |
12 | 東洋大学 | 駒澤大学 |
13 | 日本体育大学 | 順天堂大学 |
14 | 中央学院大学 | 神奈川大学 |
15 | 大東文化大学 | 國學院大學 |
16 | 亜細亜大学 | 明治大学 |
17 | 国士舘大学 | 東京国際大学 |
18 | 関東学院大学 | 大東文化大学 |
19 | 慶応義塾大学 | 中央大学 |
20 | 筑波大学 | 国士舘大学 |
21 | 山梨学院大学 | |
22 | 上武大学 | |
23 | 関東学生連合 |
*70回記念大会はゼッケン9までがシード校で、11~20が予選会枠。
*95回記念大会はゼッケン10までがシード校で、11が関東インカレ枠、12~22が予選会枠。
70回大会に出場していた20校のうち今回の95回大会に出場するのは黄色く塗った14校です。
つまり6校が出られなくなり代わりに違う大学が出場しています。
最近の傾向としては2~3年出場できないとズルズルと出れなくなっているように感じます。
・箱根駅伝に出れない。
・新入生のスカウトもうまくいかない
・力及ばずで箱根駅伝に出場できない
という負のスパイラルが待っています・・・。
また70回大会でゼッケン番号が小さかった(1-9がシード校)強豪校が、95回大会では大きいゼッケン番号をつけているチームが多々あります。
よく会社(企業)は30年でダメになると言われますがスポーツの世界、箱根駅伝の世界も同じなのかもしれません。
長く強豪校でいることは本当に難しいことだと感じます。
箱根駅伝はもはや学生スポーツの枠を超えた・・・
優勝時の経済効果が数十億円とも言われ、個別にスポンサー契約を結ぶ大学も出てきた。 「日本のメーカーは金銭より、物品だけのサポートも多い。
一方、ナイキやアデイダスなどは、かなり細かい契約をしていると聞きます。例えば、優勝したら〇〇をするといったサポートもしていて、強化費が出る場合もあるようです」 箱根駅伝はもはや、甲子園と同等で、ビジネスの場や運営戦略的に、“利用”することも珍しい光景ではなくなった。 「まだ箱根に出場していないが虎視眈々と強化している大学もある。もはや志願者増、知名度上昇のためのコンテンツといえるでしょう」
《箱根駅伝による経済波及効果》
●高視聴率獲得 2017年の視聴率は往路27.2%、復路28.4%。高視聴率を取るほどCM契約料も増加
●入学者増加の見込み 2008年度(第85回)、東洋大学1年生だった柏原竜二がレースを盛り上げて優勝。その結果、翌2009年度の同大学受験者数が前年度の16.2%増となった
●コース地域の経済活性化 チーム滞在費と観戦客の宿泊、移動、飲食費
●大手スポーツプランド参入 大学、番組とのスポンサー契約
出典:ハーバービジネスオンライン
箱根駅伝がここまでの国民的行事になった理由は1987年から日本テレビが完全中継するようになったためです。
視聴率が上がり人気が出れば、
- 出場したいと憧れる若者が増える
- 大学が宣伝効果を求めて注力する
- スポンサー企業がチームのバックアップをすると良いことづくめです。
まとめ
もはや箱根駅伝は選手、コーチ、監督という部活動の枠を超え、大学の威信をかけた戦いになっています。
今後さらに日本人の人口が減少し、大学生が減少することは間違いのない事実です。
そして残念ながら多くの大学が廃校になることも間違いありません。
そうならないように大学側は大学の知名度を高め、ブランドを高める一環として箱根駅伝に注力しています。
その結果、箱根駅伝はどんどんレベルアップをしています。
私自身、陸上長距離ほど恵まれた大学スポーツはないと思っています。
そういうことに感謝し大学生ランナーには頑張ってほしいなと思います!
『興味がある方は是非、下記の公式サイトにて詳細をチェックしてみてくださいね』