駅伝コラム

【日清食品陸上部】駅伝撤退:12選手に退部勧告:内定取消:廃部?

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事実上の廃部・・・

ニューイヤー駅伝2019が終わった直後である1月10日に日本長距離陸上界の名門である日清食品グループにおいて大幅縮小という悲しいニュースが入ってきました。

記事によると『9月に行われる2020年東京五輪マラソン代表選考会(MGC)の出場権を持つ佐藤悠基(32歳・東海大学卒)と村沢明伸(27歳・東海大学卒)を除く12選手に退部を勧告。今春入社予定だった大学4年の2選手に対しては内定取り消しの連絡を行った』との事です。

2019年9月に行われる2020年東京五輪マラソン代表選考会(MGC)の出場権を持つ佐藤悠基選手と村沢明伸選手の2名だけが今回退職しませんが、あくまでも2020年東京五輪マラソン代表選考会(MGC)までという条件つきだと推測できます。仮に佐藤悠基選手・村沢明伸選手が2020年東京五輪マラソン代表選考会(MGC)後も日清食品グループと契約するにしても陸上部としての活動は行わないであろうことから事実上の廃部だといえるでしょう。

東海大学と日清食品グループの深い関係

東海大学のエース格の選手が日清食品グループに数多く進みました。

ぱっと思いつくだけでも

  • 関厚志(報徳学園高:兵庫県)
  • 諏訪利成(桐生工業高:群馬県)
  • 皆倉一馬(大原高校:神奈川県)
  • 佐藤悠基(佐久長聖高:長野県)
  • 村澤明伸(佐久長聖高;長野県)
  • 丸山敬三(東海大三:長野県)
  • 元村大地(九州学院高:長野県)7選手がすぐに頭に浮かびました。

 

実は東海大学初の日清食品所属の選手は私と同期の1994年入学で副チーフを務めた関厚志選手(報徳学園)でした。

オールドファンには覚えていらっしゃる方もいるのではないかと思いますが、報徳学園高校で中馬大輔選手(山梨学院大学→NEC)、福永勝彦選手(専修大学→コモリコーポレーション)と同学年で西脇工業高校と兵庫県で熱い戦いをしていた關厚選手です。3000mSCの関としても有名でした。

いろいろと事情がありまして關厚志選手が卒業を控えた1998年3月に内定していたダイエー陸上部が廃部になりました。

個人的に仲が良かったこともあり『今後どうなるのか?』と心配しましたが無事に日清食品陸上部がダイエーの選手・スタッフを受け入れてくれました。

そして翌年1学年後輩の諏訪利成選手も日清食品に進みました。

 

当時新宿にあった日清食品陸上部の選手寮に遊びに行き、日清食品に所属していたジュリアス・ギタヒ選手(仙台育英)とお話しさせてもらったりTシャツをもらったのは良い思い出です。

その後学生界のエース格を多く招き入れニューイヤー駅伝2度優勝と一時代を築いた名門といえるでしょう。

東海大学の選手と山梨学院大学の選手が多かったことから応援していただけに今回の縮小は残念です。

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東海大学初の日清食品所属選手である関厚志選手(報徳学園)

日清食品陸上部の流れ

日清食品陸上部の大きな流れとしては、

MDI→日清食品&日産自動車→ダイエー→日清食品といえるでしょう。

 

1983年:ダイエー陸上部が大阪で発足。主な所属選手は中山竹通、仙内勇、小指徹、熊谷勝仁、道浦誠。

1993年:日産自動車陸上部を吸収し、大阪→神戸メインで活動開始。

1995年:本拠地を福岡に移転。ステファン・マヤカ、藤脇友介、本川一美、高橋健一、近野義人が入社。

(1995年:MDIメンバー・スタッフが新規創設された日清食品に移籍。)

1998年3月:廃部。日清食品陸上部に多くの選手、スタッフが移動

例をみない形での陸上部縮小

今までも数多くの実業団チームが規模縮小、廃部となっています。

有名なところではリッカー・日産自動車・ダイエー・SB食品・日清食品グループ・・・

実業団という企業の陸上部である以上目的は企業広告効果を狙って運営されています。

縮小・廃部の要因としては語られるのは大きく2つでした。

  • 企業宣伝効果が薄い・費用対効果が合わない
  • 企業自体の利益が少なくなり陸上部を運営する余裕がなくなった

とはいうものの実際はその企業の決算をみると、企業自体の利益が少なくなり陸上部を運営する余裕がなくなったというのが本当の理由であったと思います。

 

しかし今回の日清食品グループに関しては、2018年11月7日に発表した2019年3月期第2四半期の連結決算で営業利益20.4%増加と絶好調なのです。

日清食品HD/4~9月、カップ麺・袋麺好調で営業利益20.4%増

今までの金銭的な問題からの陸上部縮小とは違い、社としてのスポーツサポートのあり方を変えたということでしょう。

記事によると1月8日に選手らには「世界を目指す選手の競技活動をサポートする体制に切り替える」との方針転換を説明とあります。

 

現在日清食品グループのスポーツサポートいえば世界的テニスプレイヤーの錦織圭選手と大坂なおみ選手です。

まさに世界を目指す選手の競技活動をサポートする体制という言葉を体現しています。

一説には年間2億円以上といわれる錦織圭選手・大坂なおみ選手とのスポンサー契約は継続とのことなので、スポーツサポートからの撤退ではなく世界的選手と契約するということでしょう。

急すぎる陸上部縮小

下記が今回の流れです。

  • 1月1日:ニューイヤー駅伝で16位
  • 1月8日:佐藤選手・村沢選手を除く選手に退部勧告
  • 1月10日:ニュースとして報道される

水面下でのやり取りはあったと思いますが、あまりにも急すぎると思います。

 

疑問点としては

  • 一部ではニューイヤー駅伝の成績が振るわなかったから縮小を決定したという声がありますが、1回の大会で縮小が決定しますでしょうか?。

もしそうなら事前に成績が悪かったら縮小ということを部員も知っていると思います。

部員も1月8日に初めて聞いたとのことから考えると本当に急だったのだろうと思います。

疑問は残りますが本当なのかもしれませんね。

 

  • 2019年4月入社予定であった永戸選手(山梨学院大学)・住吉選手(国士舘大学)の内定取り消し。

少なくても以前から縮小が決まっていたなら採用しないですよね。

また、この時期に内定取り消しは通常ありえません。

本当に急に決まった事なのでしょうね。

また2020年に東京オリンピック開催を控え2~3年間の時間をかけて縮小→廃部ということができなかったのでしょうか・・・。

私も企業人、特に外資系企業勤務ということで本国からの急な決定で理不尽ともいえる方向転換を何度も経験していますので、このような事があることを身をもってわかりますが残念です・・・。

とにかく一人でも多くの選手の移籍先が決まり、また走る姿をみれることをお祈りします!

 

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