本日2月3日に2019年第68回別府大分毎日マラソン大会が開催されました。
毎年強風・向かい風に悩まされる大会ですが、今大会は好記録が続出しました。
最終結果TOP10
優勝したヒシャム・ラクーアヒ選手(モロッコ)
順位 | 名前 | 所属 | タイム |
1 | ヒシャム・ラクーアヒ | モロッコ | 2:08:35 |
2 | アブデラ・ゴダナ | エチオピア | 2:09:04 |
3 | イフニリグン・アダネ | エチオピア | 2:09:11 |
4 | 二岡康平 | 中電工 | 2:09:15MGC出場決定 |
5 | 橋本崚 | GMOアスリーツ | 2:09:29MGC出場決定 |
6 | 岩田勇治 | MHPS | 2:09:30MGC出場決定 |
7 | 兼実省伍 | 中国電力 | 2:10:19 |
8 | 園田隼 | 黒崎播磨 | 2:10:39MGC出場権有 |
9 | デスモンド・モクゴブ | 南アフリカ | 2:10:42 |
10 | 大崎翔也 | 中電工 | 2:10:48 |
モロッコのヒシャム・ラクーアヒ選手が優勝しました。
モロッコといえば、人類初の5000m12分台のサイドアウイータ選手・10000mオリンピックチャンピョンのブラヒム・ブータイブ選手・ハリド・スカー選手・1500m/5000mのオリンピックチャンピョンであるヒシャム・エルゲルージ選手が有名ですが新たなスター誕生の予感がします。
2位、3位はエチオピアコンビが入り、2位はアブデラ・ゴダナ選手・3位にはイフニリグン・アダネ選手がでした。
3選手がMGC出場権を獲得
日本人1位は二岡康平選手(中電工)・2位は橋本峻選手(GMOアスリーツ)・3位は岩田勇治選手(MHPS)が入り、この3名が9月15日に開催されるMGC出場権を獲得しました。
この3名は今までマラソンで目立った実績はありませんでしたが自己ベストを大幅に更新し見事な走りをしました。
3選手の詳細
二岡康平選手
誕生日 | 1994年2月5日生れの25歳 |
所属 | 中電工 |
出身高校 | 鳥取中央育英高校(旧由良育英高校) |
高校時代実績 | 5000m14分39秒・全国高校駅伝5区32位・7区33位 |
出身大学 | 駒澤大学 |
大学時代実績 | 箱根駅伝9区2位 |
ニューイヤー駅伝 | 7区16位(2017年)、4区34位(2018年)、4区5位(2019年) |
自己ベスト(中電工HPより抜粋) | |
5000m | 14分02秒75 |
10000m | 28分38秒17 |
10マイル | 47分02秒 |
ハーフマラソン | 63分18秒 |
マラソン | 2時間13分28秒 |
鳥取県の強豪鳥取中央育英高校(旧由良育英高校)→駒澤大学と強豪高校、強豪大学出身です。
しかしながら2度出場経験のある全国高校駅伝では5区・7区で出場ということからもエース級ではなかったのだと思います。
駒澤大学では2年~4年の3年間16人エントリーはされましたが4年生時のみ出場を果たし、9区で区間2位(区間賞と2秒差)と好成績をのこしました。
今大会までのマラソン歴は3回で自己ベストは2時間13分28秒なので一気に4分13秒と大幅更新を果たしました。
しかしインタビューでは目標が2時間08分30秒だったと発言したことからも自信があったのだろうと感じます。
またTV放送時に駒澤大学時代の師匠である大八木監督が『二岡選手は将来マラソンで大化けする』と発言していたとありましたが、さすがに大八木監督の選手を見る目は確かだなと感じました。大学時代の実績(箱根駅伝9区2位)だけなら決してそのように感じさせるものではないと思いますが、4年間近くで指導された大八木監督だからこそ感じるものがあったのでしょう。
まだまだ25歳と若くマラソン歴4回と経験も浅いことから9月15日に開催されるMGCまでに実力を大きく伸ばす可能性・伸びしろが大きいと感じます。
また所属している中電工は10位にも大崎翔也選手が2:10:48で入っており非常に勢いを感じます。今年は新たに東海大学から東優汰選手が加入予定なので期待したいと思います。
橋本峻選手
誕生日 | 1993年9月26日生れの25歳 |
所属 | GMOアスリーツ |
出身高校 | 大分西高校 |
高校時代実績 | 5000m14分20秒75 |
出身大学 | 青山学院大学 |
大学時代実績 | 箱根駅伝出場なし・全日本大学駅伝7区3位 |
自己ベスト(GMOアスリーツHPより抜粋) | |
5000m | 13分57秒91 |
10000m | 28分41秒02 |
ハーフマラソン | 63分33秒 |
マラソン | 2時間10分19秒 |
大分西高校時代は全国高校駅伝出場はありませんが5000m14分20秒75と高校3年生では全国で38位・インターハイ出場と実力あるランナーでした。
青山学院大学では1年生時から16人エントリーメンバーに入り、2年生時は5区山登り予定でしたが肉離れにより出場できませんでした。3年生時はケガで苦しみ、4年生時は全日本大学駅伝7区3位と好走しましたが箱根駅伝出場はできませんでした。
卒業後GMOアスリーツに進み2017年のゴールドコーストマラソンで2時間10分19秒・2018年の福岡国際マラソンでは2時間11分40秒をマークし今回2時間09分29秒と48秒更新する自己ベストをだし見事5位、日本人2位に入りMGC出場権を獲得しました。
インタビュー時には橋本峻選手の真面目な人柄が非常に伝わってきました。また同じくインタビュー時に青山学院時代の師匠でもあり、現在所属しているGMOアスリーツのアドバイザーを務める原晋青山学院大学監督が『橋本峻選手はマラソン向きだと大学1年生の時から感じていた』というエピソードが紹介されていましたが、近くで4年間見続けた原晋監督から見て性格、競技に対する姿勢などがよほどマラソン向きだったのでしょう。原晋監督の選手も見る目はさすがだと感じました。
日本人1位になった二岡康平選手と同級生の25歳と若くマラソン歴4回と経験も浅いことから9月15日に開催されるMGCまでに実力を大きく伸ばす可能性・伸びしろが大きいと感じます。
青山学院大学時代の監督である原晋監督がアドバイザーを務めるGMOアスリーツ所属ということで引き続き原晋監督の指導を受けることができることは大きなアドバンテージとなるでしょう。
岩田勇治選手
誕生日 | 1987年7月9日生れの31歳 |
所属 | MHPS |
出身高校 | 福岡工業高校 |
高校時代実績 | 全国高校駅伝出場なし |
自己ベスト(MHPS HPより抜粋) | |
5000m | 14分08秒35 |
10000m | 28分53秒82 |
10マイル | 47分30 |
ハーフマラソン | 63分38秒 |
マラソン | 2時間12分15秒 |
岩田勇治選手といえば今年のお正月のニューイヤー駅伝でMHPSのアンカーとして熾烈な優勝争いを繰り広げた選手ということで一躍有名になりました。
福岡工業高校から時代の実績は不明です。記録会で5000m15分15秒というタイムがヒットしましたが、MHPSに進むくらいですから5000mで14分30~45秒くらいではは敷いていたのではないかと思います。MHPSに進んだ後も大ブレイクというよりもコツコツと練習を重ね着実に実力をつけたという印象です。
今回一気に今までの記録を2分45秒更新し6位・日本人3位に入りMGC出場権を獲得しました。
31歳と決して若くはありませんが、今年はニューイヤー駅伝での活躍→別府大分毎日マラソンでの大幅自己ベストと一気にブレイクしていますので9月15日のMGCは楽しみだと思います。
MGC獲得選手一覧
名前 | 所属 | 自己ベスト | 出場権を獲得した大会と記録 | 出身大学 |
---|---|---|---|---|
村澤明伸 | 日清食品グループ | 2:09:47 | 北海道マラソン2017 1位(2:14:48) | 東海大 |
大迫傑 | Nike ORPJT | 2:05:50 | 第71回福岡国際マラソン 日本人1位(2:07:19) | 早稲田大 |
上門大祐 | 大塚製薬 | 2:09:27 | 第71回福岡国際マラソン 日本人2位(2:09:27) | 京産大 |
竹ノ内佳樹 | NTT西日本 | 2:10:01 | 第71回福岡国際マラソン 日本人3位(2:10:01) | 日本大 |
園田隼 | 黒崎播磨 | 2:09:34 | 第67回別府大分毎日マラソン 日本人1位(2:09:34) | 上武大 |
設楽悠太 | Honda | 2:06:11 | 東京マラソン2018 日本人1位(2:06:11) | 東洋大 |
井上大仁 | MHPS | 2:06:54 | 東京マラソン2018 日本人2位(2:06:54) | 山梨学大 |
木滑良 | MHPS | 2:08:08 | 東京マラソン2018 日本人3位(2:08:08) | 瓊浦高 |
宮脇千博 | トヨタ自動車 | 2:08:45 | 東京マラソン2018 日本人4位(2:08:45) | 中京高 |
山本憲二 | マツダ | 2:08:48 | 東京マラソン2018 日本人5位(2:08:48) | 東洋大 |
佐藤悠基 | 日清食品グループ | 2:08:58 | 東京マラソン2018 日本人6位(2:08:58) | 東海大 |
中村匠吾 | 富士通 | 2:08:16 | 第73回びわ湖毎日マラソン 日本人1位(2:10:51) | 駒澤大 |
川内優輝 | 埼玉県庁 | 2:08:14 | 第48回防府読売マラソン 1位(2:10:03) 第71回福岡国際マラソン 日本人4位(2:10:53) ※ワイルドカード |
学習院大 |
岡本直己 | 中国電力 | 2:11:29 | 北海道マラソン2018 1位(2:11:29) | 明治大 |
谷川智浩 | コニカミノルタ | 2:11:39 | 北海道マラソン2018 日本人2位(2:12:02) | 拓殖大 |
大塚祥平 | 九電工 | 2:10:12 | 北海道マラソン2018 日本人3位(2:12:07) | 駒澤大 |
中本健太郎 | 安川電機 | 2:08:35 | 北海道マラソン2018 日本人4位(2:12:54) | 拓殖大 |
藤本拓 | トヨタ自動車 | 2:07:57 | シカゴマラソン2018 8位(2:07:57) ※ワイルドカード |
国士舘大 |
服部勇馬 | トヨタ自動車 | 2:07:27 | 第72回福岡国際マラソン 1位(2:07:27) | 東洋大 |
山岸宏貴 | GMOアスリーツ | 2:10:14 | 第72回福岡国際マラソン 日本人4位(2:10:42) | 上武大 |
福田穣 | 西鉄 | 2:09:52 | 第72回福岡国際マラソン 日本人5位(2:10:54) | 国士舘大 |
二岡康平 | 中電工 | 2:09:15 | 第68回別府大分毎日マラソン 日本人1位(2:09:15) | 駒澤大学 |
橋本崚 | GMOアスリーツ | 2:09:29 | 第68回別府大分毎日マラソン 日本人2位(2:09:29) | 青山学院大学 |
岩田勇治 | MHPS | 2:09:30 | 第68回別府大分毎日マラソン 日本人3位(2:09:30) | 福岡工高 |
出身大学別
順位 | 人数 | 大学名 | 敬称略 |
1 | 3 | 東洋大学 | 設楽:山本:服部 |
1 | 3 | 駒澤大学 | 中村:大塚:二岡 |
3 | 2 | 東海大学 | 村澤:佐藤 |
3 | 2 | 上武大学 | 園田:山岸 |
3 | 2 | 拓殖大学 | 谷川:中本 |
3 | 2 | 国士舘大学 | 藤本:福田 |
7 | 1 | 早稲田大学 | 大迫 |
7 | 1 | 京都産業大学 | 上門 |
7 | 1 | 日本大学 | 竹ノ内 |
7 | 1 | 山梨学院大学 | 井上 |
7 | 1 | 学習院大学 | 川内 |
7 | 1 | 明治大学 | 岡本 |
7 | 1 | 青山学院大学 | 橋本 |