優勝校:東海大学【2019年全日本大学駅伝】選手を勝手に採点
2019年第51回全日本大学駅伝は東海大学が16年振り2度目の優勝をかざりました。
全日本大学駅伝は2017年は最終8区で神奈川大学に逆転され2位。
2018年は7区で青山学院大学に逆転され2位と2年連続2位が続いていましたが3度目の正直となりました。
戦前から5強による戦国駅伝といわれていましたが最もミスが少なかった東海大学が優勝したかたちになりました。
区間記録
区間 | 名前 | 区間順位 | 記録 | 区間賞秒差 | 備考 |
1区 | 小松 陽平 | 3位 | 27:58 | 9秒 | |
2区 | 西川 雄一朗 | 10位 | 32:02 | 24秒 | 区間新 |
3区 | 塩澤 稀夕 | 3位 | 33:57 | 56秒 | 区間新 |
4区 | 西田 壮志 | 1位 | 33:54 | - | 区間賞 |
5区 | 市村 朋樹 | 7位 | 36:43 | 37秒 | |
6区 | 郡司 陽大 | 1位 | 37:26 | - | 区間新 |
7区 | 松尾 淳之介 | 8位 | 53:29 | 1分20秒 | |
8区 | 名取 燎太 | 2位 | 57:46 | 32秒 |
勝手に採点
1区:小松陽平選手
【採点】90点
【区間順位】3位
【区間賞との秒差】9秒
【区間賞獲得者】荻久保寛也選手(城西大学)
【負けた選手】荻久保寛也選手(城西大学)・中村大聖選手(駒澤大学)
【箱根駅伝に向けて】順調です
全日本大学駅伝の1区のランナーに求められることは先頭と15秒以内に2区に繋ぐという事だと思います。
そういう意味では9秒差なので合格ですが、箱根駅伝MVPの小松陽平選手ですから欲をいえば荻久保寛也選手とラストスパート合戦をするくらいの秒差で来てほしかったと思います。
しかしながら今日のレースは前半がスローペースで7kmからのペースアップという事でイーブンペースのレースとは違った難しさがありますが確実に良い位置でつ後の区間に繋ぐという走りは見事でした。
MVPを獲得した箱根駅伝のレースも見事でしたが試合巧者だなと感じます。
2区:西川雄一朗選手
【採点】75点
【区間順位】10位(区間新)
【区間賞との秒差】24秒
【区間賞獲得者】伊藤達彦選手(東京国際大学)
【主な負けた選手】伊藤達彦選手(東京国際大学)・浦野雄平選手(國學院大學)・R・レメティキ選手(拓殖大学)・太田智樹選手(早稲田大学)・小林歩選手(駒澤大学)・橋本龍一選手(順天堂大学)・岸本大紀選手(青山学院大学)
【箱根駅伝に向けて】まあ順調
3位でもらった襷を3区には6位で渡すという走りでした。
西川選手の力からするとあと10-20秒稼いでほしかったと思います。
良くいえば悪いなりにまとめられる安定感のある選手とも言えますが、学生最後の駅伝となる箱根駅伝では区間上位を走りを期待したいですね。
3区:塩澤稀夕選手
【採点】95点
【区間順位】3位(区間新)
【区間賞との秒差】56秒
【区間賞獲得者】相澤晃選手(東洋大学)
【主な負けた選手】相澤晃選手(東洋大学)・菅原伊織選手(城西大学)
【箱根駅伝に向けて】順調
高校時代から外さない選手という印象ですが今大会も6位でもらった襷を3位で渡すという外さない見事な走りでした。
相澤晃選手から56秒差ということで100点の走りといっても良いのですが、ラスト勝負で城西大学の菅原伊織選手に競り負けたので95点かなと思います。
ケガの多い選手ですが今シーズンは練習も継続できており1年を通してコンスタントに良い状態をキープできています。
いよいよ箱根駅伝初出場かなと期待しています。
4区:西田壮志選手
【採点】95点
【区間順位】1位
【主な勝った選手】今西駿介選手(東洋大学)・千明龍之佑選手(早稲田大学)・中西大翔選手(國學院大學)・鈴木塁人選手(青山学院大学)
【箱根駅伝に向けて】順調
同じ3年生の塩澤稀夕選手同様に高校時代から外さない選手ですが、今回も区間2位の今西駿介選手(東洋大学)に13秒差をつける見事な区間賞の走りでした。
100点でといっても良い走りですが、西田壮志選手の力を評価しているので厳しく言えば塩尻和也選手の区間記録に6秒届かなかったので95点でしょうかな。
あと2ヶ月は箱根駅伝5区に向けて万全の準備をしていただきたいと思います。
5区:市村朋樹選手
【採点】80点
【区間順位】7位
【主な負けた選手】青木 祐人選手(國學院大學)・藤曲寛人選手(順天堂大学)・吉田 祐也選手(青山学院大学)・中村 大成選手(駒澤大学)
【箱根駅伝に向けて】まあ順調
今シーズンの三大駅伝スタートの出雲駅伝・全日本大学駅伝と連続出場となりました。
出雲駅伝では区間2位、今大会は区間7位という走りでした。
レース内容としては26秒差の2位でもらった襷を1位で渡し逆に2位に19秒差という見事な走りでしたが、区間順位は7位という事で市村朋樹選手の実力からするともう一歩という感じでしょうか。
要因は実績が上ではあるが今大会調子の悪かった東洋大学の準エース格の西山和弥選手と並走し付き合ってしまったことでしょうね。
レベルが違うので恐縮ですが、私も同じような経験をしたことがあります・・・。
市村朋樹選手の実力からするとタイム的にはあと10-20秒ほしいですね。
今シーズンは箱根駅伝出場の当落線上にいると思うので数少ない2年生として頑張ってほしいです。
6区:郡司陽大選手
【採点】95点
【区間順位】1位
【主な勝った選手】中村 友哉選手(青山学院大学)・西澤 侑真選手(順天堂大学)・加藤 淳選手(駒澤大学)・中西 唯翔選手(國學院大學)
【箱根駅伝に向けて】順調
箱根駅伝初優勝のテープを切り昨年から駅伝では安定した実力を発揮する郡司陽大選手は今大会でも実力を発揮してくれました。
レース内容としては1位でもらった襷を19秒差→54秒差に広げ、記録も昨年青山学院大学の吉田圭太選手が樹立した区間記録を3秒更新という素晴らしい走りでした。
郡司選手ご自身が『1秒でも後続との差を離して7区の松尾淳之介選手に襷を渡す」という自身のやるべき仕事を理解し、実行するという完璧な走りだったと思います。
1人でも自分のペースで走れるという貴重な選手なので箱根駅伝でも9区・10区での起用が濃厚かなと思います。
7区:松尾淳之介選手
【採点】70点
【区間順位】8位
【主な負けた選手】田澤 廉選手(駒澤大学)・吉田圭太選手(青山学院大学)・定方 駿選手(東洋大学)・山口 和也選手(日本体育大学)・鈴木 聖人選手(明治大学)
【箱根駅伝に向けて】まあ順調
レース内容としては郡司陽大選手から54秒差で受けた襷を先頭から2秒差の2位で8区の名取燎太選手に渡すという走りでした。
松尾選手の今回の走りは2通りの見方ができると思います。
- 2位に54秒差でもらった襷を区間8位の走りで追いつかれて2秒差の2位に転落させてしまった。
- 2位と54秒差の首位でもらった襷を区間8位の走りで追いつかれて2位に転落させてしまったが2秒差でつないだ。
私は後者の2秒差で踏ん張って踏みとどまったという走りだったと思います。
松尾選手は今までの駅伝でも主要区間を任されることが多く、区間順位が上位でないことが多いですが走りとしては今回も悪くなかったと思います。
くしくも昨年度同じ全日本大学駅伝で青山学院大学の森田選手に逆転され、箱根駅伝では9区で優勝を決定づける走りを見せた秋田工業の先輩である湊谷春紀選手のように箱根駅伝でリベンジをしてほしいと思います。
今回のレースは松尾選手にとって箱根駅伝メンバー入りをかけた試験といえる走りであったと思います。
今回の走りは良いとも言えず悪いとも言えずまさに及第点の走りと言って良いでしょう。
8区:名取燎太選手
【採点】100点
【区間順位】2位
【主な勝った選手】山下一貴選手(駒澤大学)・青木 涼真選手(法政大学)・土方 英和選手(國學院大學)・飯田 貴之選手(青山学院大学)・宮下 隼人選手(東洋大学)
【箱根駅伝に向けて】順調
レース内容としては青山学院大学から2秒差の2位でもらった襷を逆転し2位に1分44秒差をつけて16年ぶり2回目の優勝のゴールを切ったという見事な走りでした。
記録的にも日本人で8区歴代6位となる57:46・東海大学記録(佐久長聖高校の先輩にあたる村澤明伸選手の57:47)を1秒更新するという好記録でした。
10月6日に開催された札幌マラソンでハーフマラソンの部を1:02:44で優勝しているので、力がついていることはわかっていましたがまさかここまでの走りをするとは・・・。
順調に調整が進めば箱根駅伝は2区を中心に主要区間を任される選手だと思います。
箱根駅伝に向けて
今大会黄金世代といわれる4年生の四天王(關颯人選手・鬼塚翔太選手・阪口竜平選手・舘澤亨次選手)を欠場で欠きながらの優勝は本当に価値のあるものです。
今大会の優勝メンバー(8人)+四天王(4人)+山下りの中島怜悧選手とこのメンバーだけで13名になります。
少なくても3名は箱根駅伝を走ることはできません・・・。
そしてまだこの13名以外にも世田谷246マラソン・上尾シティハーフマラソンなどでメンバー入りを狙っている選手もいます。
最強のメンバーで箱根駅伝に臨めるように陰ながら応援していきたいと思います。