MGCとは
MGCとはマラソングランドチャンピオンシップ(Marathon Grand Championship)、2019年9月15日に開催される予定のマラソン大会である。
2017年8月23日、日本陸上競技連盟より2020年東京オリンピックマラソン日本代表選考会として2019年9月以降の開催が発表された。
マラソンコースは2020年東京オリンピックで使用するものと同じだが、スタート・フィニッシュ地点は新国立競技場が開催時点では未完成のため、明治神宮外苑周辺に設定する。
また五輪のテストイベントとしても実施される予定。
対象レース一覧(男子)
時期 | 大会 | 設定記録(順位は日本勢) |
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8月 | 北海道マラソン | 2:15:00(1位) 2:13:00(6位以内) |
12月 | 福岡国際マラソン | 2:11:00(3位以内) 2:10:00(6位以内) |
2月 | 別府大分毎日マラソン | 2:11:00(1位) 2:10:00(6位以内) |
東京マラソン | 2:11:00(3位以内) 2:10:00(6位以内) |
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3月 | びわ湖毎日マラソン | 2:11:00(3位以内) 2:10:00(6位以内) |
ワイルドカード枠
以下の条件を満たせば、ワイルドカードとして出場可。
- 国際陸上競技連盟が世界記録を公認する競技会において決められたタイムをクリア。
- 2時間08分30秒以内
- 期間内の上位2記録の平均が2時間11分00秒以内
- 第16回世界陸上競技選手権大会8位入賞者(該当者なし)。
- 第18回アジア競技大会3位入賞者。(井上大仁が優勝)
- MGCシリーズ各大会において、気象条件等によりファイナリストの資格を1名も満たさなかった場合、強化委員会が判断した競技者。
MCG本大会で代表決定
MGC本大会において、以下の条件をクリアすると東京オリンピック代表の内定が得られる。
- 優勝
- 2位、3位のうち「MGC派遣設定記録」をクリア
- クリアした者がいない場合は2位が自動的に内定
MGCファイナリスト一覧
名前 | 所属 | 自己ベスト | 出場権を獲得した大会と記録 | 出身大学 |
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村澤明伸 | 日清食品グループ | 2:09:47 | 北海道マラソン2017 1位(2:14:48) | 東海大 |
大迫傑 | Nike ORPJT | 2:05:50 | 第71回福岡国際マラソン 日本人1位(2:07:19) | 早稲田大 |
上門大祐 | 大塚製薬 | 2:09:27 | 第71回福岡国際マラソン 日本人2位(2:09:27) | 京産大 |
竹ノ内佳樹 | NTT西日本 | 2:10:01 | 第71回福岡国際マラソン 日本人3位(2:10:01) | 日本大 |
園田隼 | 黒崎播磨 | 2:09:34 | 第67回別府大分毎日マラソン 日本人1位(2:09:34) | 上武大 |
設楽悠太 | Honda | 2:06:11 | 東京マラソン2018 日本人1位(2:06:11) | 東洋大 |
井上大仁 | MHPS | 2:06:54 | 東京マラソン2018 日本人2位(2:06:54) | 山梨学大 |
木滑良 | MHPS | 2:08:08 | 東京マラソン2018 日本人3位(2:08:08) | 瓊浦高 |
宮脇千博 | トヨタ自動車 | 2:08:45 | 東京マラソン2018 日本人4位(2:08:45) | 中京高 |
山本憲二 | マツダ | 2:08:48 | 東京マラソン2018 日本人5位(2:08:48) | 東洋大 |
佐藤悠基 | 日清食品グループ | 2:08:58 | 東京マラソン2018 日本人6位(2:08:58) | 東海大 |
中村匠吾 | 富士通 | 2:08:16 | 第73回びわ湖毎日マラソン 日本人1位(2:10:51) | 駒澤大 |
川内優輝 | 埼玉県庁 | 2:08:14 | 第48回防府読売マラソン 1位(2:10:03) 第71回福岡国際マラソン 日本人4位(2:10:53) ※ワイルドカード(1.ii.) |
学習院大 |
岡本直己 | 中国電力 | 2:11:29 | 北海道マラソン2018 1位(2:11:29) | 明治大 |
谷川智浩 | コニカミノルタ | 2:11:39 | 北海道マラソン2018 日本人2位(2:12:02) | 拓殖大 |
大塚祥平 | 九電工 | 2:10:12 | 北海道マラソン2018 日本人3位(2:12:07) | 駒澤大 |
中本健太郎 | 安川電機 | 2:08:35 | 北海道マラソン2018 日本人4位(2:12:54) | 拓殖大 |
藤本拓 | トヨタ自動車 | 2:07:57 | シカゴマラソン2018 8位(2:07:57) ※ワイルドカード(1.i.) |
国士舘大 |
服部勇馬 | トヨタ自動車 | 2:07:27 | 第72回福岡国際マラソン 1位(2:07:27) | 東洋大 |
山岸宏貴 | GMOアスリーツ | 2:10:14 | 第72回福岡国際マラソン 日本人4位(2:10:42) | 上武大 |
福田穣 | 西鉄 | 2:09:52 | 第72回福岡国際マラソン 日本人5位(2:10:54) | 国士舘大 |
2018年の福岡国際マラソン終了時点で21名がMGC出場権を獲得していますが、大学出身者が19名、高卒選手が2名です。
また大学出身19名のうち18名が関東学連所属の大学出身で箱根駅伝でならした選手です。
出身大学別
順位 | 人数 | 大学名 | 敬称略 |
1 | 3 | 東洋大学 | 設楽:山本:服部 |
2 | 2 | 東海大学 | 村澤:佐藤 |
2 | 2 | 上武大学 | 園田:山岸 |
2 | 2 | 拓殖大学 | 谷川:中本 |
2 | 2 | 国士舘大学 | 藤本:福田 |
2 | 2 | 駒澤大学 | 中村:大塚 |
3 | 1 | 早稲田大学 | 大迫 |
3 | 1 | 京都産業大学 | 上門 |
3 | 1 | 日本大学 | 竹ノ内 |
3 | 1 | 山梨学院大学 | 井上 |
3 | 1 | 学習院大学 | 川内 |
3 | 1 | 明治大学 | 岡本 |
箱根駅伝強豪校出身大学がずらりと並びますが、箱根駅伝4連覇中の青山学院大学出身者がいません。
あと選考レースが3つありますので食い込んでこれるでしょうか?
オリンピック代表内定のためには・・・
- 選考対象レースにてMGC出場権を獲得する。
- MGC大会にて2位までに入ること。
- MGC派遣設定記録(2:05:30)を切って3位に入ること。
現実的な話しをすると残暑の残る9月15日のマラソン大会で2:05:30秒を切ることはほぼ不可能だと思います。
そう考えると2位までに入らなければ事実上代表にはなれないでしょう。
逆に言えば東京での9月のマラソンで2:05:30を切れればメダルの可能性もあると思います。
MGC誕生のメリット
マラソンの代表選考はいつももめてきました。
もはやオリンピック前の風物詩といっても良いでしょう。
もめ続けた理由は明白です。
代表選考レースが複数あるからです。
例えば『代表3名に対して選考レースが3つで各大会の日本人1位が代表』なら明白ですが、選考レースが5個も6個もある状況です。
この理由も明白で、各レースにスポンサーがついていて代表選考レースから外れると大会自体に興味関心を持ってもらえなくなるからです。
まぁ大人の事情ということでしょうね。
特にマラソンのような長時間の競技になればなるほどタイム差がつきやすいのです。
- コースの違い(タイムの出しやすいコースと出にくいコースはあります)
- 開催時期(夏のマラソンと冬のマラソンとでは当然夏のほうがタイムは遅くなります)
- レース展開(ハイペースorスローペース:イーブンペースor上げ下げのあるレース)
- 気象条件(気温:天候:風によってタイムは大きく変わります)
以上は一例ですが様々な要因でタイムは変わるので一概に比較はできません。
今回MGCという大会を新たに作り代表選考レースを一本化したことはとても意義のあることです。
メリットとしては
- 代表選考が明白でフェアー
- 東京オリンピック開催と近い時期に開催(東京オリンピックは2020年7月24日 – 年8月9日)
- 東京オリンピック本番とほぼ同じコースで開催
まとめ
長年代表選考でもめていたマラソン代表が今回はスムーズに決まりそうです。
今までは落選した選手も納得できないことが多かったと思いますが今回は代表選考レースがMGCに一本化されたため明白でフェアーで良いと思います。
あと選考レースが3つ残っているので新星が現れることを期待しています。
- 2019年2月:別府大分毎日マラソン・東京マラソン
- 2019年3月:びわ湖毎日マラソン
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